アポトーシス
ミトコンドリアの機能
当社では、ミトコンドリアが壊れていく過程の研究用に幾つかのユニークなプローブを提供しています。これには、膜電位の変化をモニターする製品、チトクロームCの放出を検出する製品があります。このような現象は、プログラムされた細胞死の早期の重要な特徴であると考えられており1〜3、今日では、ミトコンドリアがこのプロセスの中心的な役割をしていると考えられています4。
ミトコンドリア機能研究用製品
| 製品 |
検出 |
注釈 |
| * 多数の蛍光ピーク |
| MitoProbe Transition Pore assay kit |
膜透過性遷移孔(MPTP) |
- カルセインAM色素は、細胞に取り込まれると、細胞外に出にくい蛍光分子へと細胞内エステラーゼにより変換される。原形質側の蛍光をCo2+によって消光し、ミトコンドリア蛍光をMPTPの開孔の指標として測定。
- 最大励起/蛍光〜494/517 nm
- フローサイトメトリーに適する。
|
| MitoProbe DiOC2(3) Assay Kit |
膜電位 |
- 最大励起/蛍光〜482/497 nm
- DiOC2(3) の蛍光は、脱分極したアポトーシス細胞では弱くなる。
- フローサイトメトリーに適する。
|
| MitoProbe DiIC1(5) Assay Kit |
膜電位 |
- 最大励起/蛍光〜638/658 nm
- DiIC1(5)の出す近赤外の蛍光は、脱分極したアポトーシス細胞では弱くなる。
- フローサイトメトリーに適する。
|
| JC-1 |
膜電位、生細胞の変化をモニター |
- 最大励起/蛍光514/529, 590 nm*
- 固定不可能
- レシオメトリック(比率測定)
- フローサイトメトリーに適したキット(カタログ番号M34152)もある。
|
| MitoTracker Red CMXRos |
膜電位 |
- 緑色色素に適合(最大励起/蛍光〜579/599 nm)
- 固定可能
|
| MitoTracker Red CM-H2XRos |
膜電位 |
- 緑色色素に適合(最大励起/蛍光〜579/599 nm)
- 固定可能
- MitoTracker Red CMXRosよりもバックグラウンドが低い
|
| MitoTracker Orange CMTMRos |
膜電位 |
- 近赤外色素に適合(最大励起/蛍光〜554/576 nm)
- 固定可能
|
| MitoTracker Orange CM-H2TMRos |
膜電位 |
- 近赤外色素に適合(最大励起/蛍光〜554/576 nm)
- 固定可能
- MitoTracker Orange CMTMRosよりもバックグラウンドが低い
|
| ローダミン123、ジヒドロローダミン123 |
膜電位 |
- 最大励起/蛍光〜507/529 nm
- 固定不可能
- 毒性が低い
- 取り込みが迅速
|
| TMRE、TMRM |
膜電位 |
- 緑色色素に適合(最大励起/蛍光〜549/573 nm)
- 固定不可能
|
| SelectFXAlexa Fluor 488チトクロームCアポトーシス検出キット |
ミトコンドリアからのチトクロームCの放出 |
- 抗チトクロームC抗体を含む
- 緑色蛍光Alexa Fluor 488標識二次抗体で検出
- 固定細胞用のみ(キットに必要な試薬が含まれている)
|
膜電位 ─ 固定可能なプローブ
MitoTracker色素(特許保有)は、生細胞のミトコンドリアを染色する膜電位依存性プローブです5,6。MitoTracker色素の蛍光シグナルは膜が脱分極したミトコンドリアよりも活性を有するミトコンドリアの方が明るく、細胞群中の健常な細胞を識別する方法となります。MitoTracker色素の染色パターンは、その後の免疫細胞化学、DNA末端標識、in situハイブリダイゼーション、対比染色全体を通じて保持されます。同じ実験に緑色蛍光色素とペアで使用することができ、スペクトルのオーバーラップが最小になるようなMitoTracker Red CMXRos(最大励起波長579 nm、最大蛍光波長599 nm)を販売しています。近赤外色素を併用してお使いになる場合には、MitoTracker Orange CMTMRosをお選びください。MitoTracker Red CM-H2XRosとMitoTracker Orange CM-H2TMRosはバックグラウンドが低い実験に最適です。MitoTracker色素の還元タイプは、細胞の細胞質に到達するまでは蛍光を発しません。
これら色素は通常行われているパラホルムアルデヒド固定中には十分に保持されますが、染色パターンが変化する可能性があります。実験には適切な対照を使用しなければなりません。MitoTracker Orange 色素とMitoTracker Red色素由来の蛍光シグナルは、緑色蛍光タンパク質(GFP)と組み合わせて使うことができるので、GFPトランスフェクション細胞の染色に有用です。
Dapoxyl誘導体である50 nM LysoTracker Blue-White DPXと100 nMのMitoTracker CMXRosで同時に染色したウシ肺動脈上皮生細胞。この画像は、Huygensソフトウエア(Scientific Volume Imaging)を用いて補正した。
膜電位 ─ 固定化しないプローブ
膜透過性色素は、アポトーシスの間に生じるミトコンドリアの膜電位の消失を迅速、簡単かつ確実に検出することができます。しかし、MitoTracker色素とは異なり、これらの色素の染色パターンは固定中に失われてしまいます。これらの最初の色素であるJC-1は、陽イオン性色素であり、緑色(〜525 nm)から赤色(〜590 nm)への蛍光発色シフトによって示されるように、ミトコンドリア中に電位に依存して蓄積されるので、レシオメトリック測定(比率測定)に有用です。当社はまた、細胞毒性効果を誘発することなく、活性を有するミトコンドリアによって容易に隔離されるローダミン123とジヒドロローダミン123も提供しています7。このようなローダミン色素の取り込みと平衡化は、30分以上かかる他の膜電位感受性色素と比べると迅速です(数分間)8。緑色蛍光色素を取り込む多色用途(最大蛍光〜520 nm)には、テトラメチルローダミンのメチルエステルあるいはエチルエステル(TMRMとTMRE)をお選びください。
チトクロームC放出の検出
アポトーシスの引き金となるもののひとつに、ミトコンドリアからのチトクロームCの放出があります。当社のSelectFX Alexa Fluor 488チトクロームCアポトーシス検出キットは、チトクロームCの検出に抗チトクロームC抗体とAlexa Fluor 488色素標識二次抗体を使用しており、さらに、細胞の固定と透過性獲得に必要な保存液と、染色用プロトコールが含まれています。
JC-1で染色してから、過酸化水素で処理したNIH 3T3マウス線維芽細胞。画像では、H2O2処理前後の細胞の同じ視野における時間経過を見ることができる。これにより、赤色のJ-凝集蛍光の消失と緑色モノマー蛍光の細胞質への拡散の両方を見ることができる。画像は、Ildo Nicoletti氏(Perugia University Medical School)からの提供。
ローダミン123によって染色したラット皮質星状細胞。上図では陽イオン性色素飽和ミトコンドリアの自己消失に起因する蛍光シグナルの減弱が認められる。脱共役剤FCCPに誘導された散逸は、蛍光の増大(中央図)とその後の細胞全体への色素の再分布(下図)によって示される。画像は、Michael Duchen氏(University College, London)から提供。
- 参考文献:
- 1. Science 292, 624 (2001); 2. Science 289, 1150 (2000); 3. Trends Cell Biol 10, 369 (2000); 4. Eur J Biochem 252, 1 (1998); 5. J Histochem Cytochem 44, 1363 (1996); 6. Cytometry 35, 311 (1999); 7. Proc Natl Acad Sci U S A 77, 990 (1980); 8. Int Rev Cytol 122, 1 (1990).
製品:
| Cat.No. |
製品名 |
サイズ |
| ★:2004年新製品 フローサイトメトリーの章もご覧ください。 |
| D632 |
dihydrorhodamine 123 |
10 mg |
| ★ M34150 |
MitoProbe DiOC2(3) Assay Kit *for flow cytometry* *100 assays* |
1 kit |
| ★ M34151 |
MitoProbe DiIC1(5) Assay Kit *for flow cytometry* *100 assays* |
1 kit |
| ★ M34152 |
MitoProbe JC-1 Assay Kit *for flow cytometry* *100 assays* |
1 kit |
| ★ M34153 |
MitoProbe Transition Pore Assay Kit *for flow cytometry* *100 assays* |
1 kit |
| M7510 |
MitoTracker Orange CMTMRos *special packaging* |
20 x 50 μg |
| M7511 |
MitoTracker Orange CM-H2TMRos *special packaging* |
20 x 50 μg |
| M7512 |
MitoTracker Red CMXRos *special packaging* |
20 x 50 μg |
| M7513 |
MitoTracker Red CM-H2XRos *special packaging* |
20 x 50 μg |
| R302 |
rhodamine 123 |
25 mg |
| ★ S35115 |
SelectFX Alexa Fluor 488 Cytochrome c Apoptosis Detection Kit *for fixed cells* |
1 kit |
| T3168 |
5,5',6,6'-tetrachloro-1,1',3,3'-tetraethylbenzimidazolylcarbocyanine iodide (JC-1; CBIC2(3)) |
5 mg |
| T668 |
tetramethylrhodamine, methyl ester, perchlorate (TMRM) |
25 mg |
| T669 |
tetramethylrhodamine, ethyl ester, perchlorate (TMRE) |
25 mg |