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Focus 日本語抄録
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Focus Vol.23 No.1, 2001
TOPOクローニングに関する Q&A
Vol.23, page 2
Chris Wasden and Joy Goldberg
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TOPOクローニングとは?
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PCR産物などの2本鎖DNAのライゲーション反応にDNAリガーゼではなく、DNAトポイソメラーゼ I を使用するクローニング法。
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トポイソメラーゼとは?
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トポイソメラーゼは片側又は両側のDNA鎖を切断し、2重らせんを回転させて締めたりゆるめたりする。トポイソメラーゼは+鎖、又は−鎖のスーパーコイルを除いたり、+鎖のスーパーコイルを加えたりできる。スーパーコイリングは、二本鎖DNAの解離を助ける最初のねじれを生み、複製フォークの形成につながると考えられている。タイプ I トポイソメラーゼはDNAの特異的配列に結合して片方のDNA鎖を切断し、他方のDNA鎖のまわりを回転して切断されたDNA端同士を結合させた後、DNAから離れる。
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トポイソメラーゼ I はどのようにTOPOクローニングに使用されるか?
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この酵素は (C/T)CCTT配列を認識し、この配列を2個持つベクターをトポイソメラーゼ I で処理すると、DNAを切断して 3'-端のホスフォチロシル結合により酵素が共有結合されて、TOPO活性化ベクターが作製できる。TOPO活性化ベクターはDNAフラグメントの 5'-OH 端と結合する。従ってPCRは 5'-側にリン酸基をもたないプライマーで行なう必要があり、ゲノムDNAフラグメントの場合は脱リン酸化が必要となる。
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キットの中のTOPOベクターについてもう少し教えて?
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TOPOベクターはTOPO活性化され、線状で供給される。線状ベクターの両端に存在するトポイソメラーゼ I がセルフライゲーションを防ぐ。トポイソメラーゼ I はベクターDNAと二本鎖DNA(5'-端にリン酸基がない)を結合した後はベクターから離れる。
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TOPO TA クローニングはどういう場合に使う?
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TOPO TA クローニングは、PCRに Taq DNAポリメラーゼあるいは Taq と校正活性のあるポリメラーゼの混合酵素 (PLATINUM(R) Taq DNA ポリメラーゼ ハイフィデリティ) を使って作成したフラグメントのクローニングに使用。Taq DNAポリメラーゼは大部分の PCR産物の 3'-端にAを付加し、TOPO TA クローニングベクターは線状で 3'-端に T のオーバーハングがあるので直接ライゲーションされる。
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ZERO Blunt TOPOクローニングはどういう場合に使う?
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PLATINUM Pfx DNA ポリメラーゼのような校正活性のある酵素でPCRを行なった場合に使用。Zero Blunt TOPOベクターは線状で平滑末端になっている。ゲノムDNA等の制限酵素フラグメントも平滑末端を脱リン酸化してあれば使用可能。
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長いPCR産物をTOPO TA クローニングしたい。特に注意する点は?
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長いPCR産物のクローニングにはPCR産物がシングルバンド(ゲル電気泳動で)となる純度が必要だが、PLATINUM Taq DNAポリメラーゼを使用すれば非特異物産物が最小限におさえられる。また長いPCRには PLATINUM Taq DNAポリメラーゼハイファイなどの酵素ミックスが最適である。DNAのニッキングを減らすためにゲルの可視化には臭化エチジウムではなく、クリスタルバイオレットの使用を勧める。コロニー収率をあげるためにTOPO反応時間は 30分に延長できる。また、形質転換には効率が良くバイアスが減らせるエレクトロポレーションがよい。3 kb 以上のフラグメント用に最適化された TOPO XL PCR クローニングキットを推奨する。
GATEWAYTM クローニングテクノロジーの紹介
Vol.23, page 4
Technical Services
GATEWAYTM クローニングは、λファージの部位特異的組換えシステムをもとにしたテクノロジーで (attB x attP <--> attL x attR)、DNA断片を異なったクローニングベクター間で方向性やリーディングフレームを保持して移動させる。一旦エントリークローンにDNA断片 (PCR産物又は制限酵素断片) を入れた後はリガーゼは使わず、クロナーゼ酵素ミックスを使用して、同時に平行して複数のデスティネーションベクター (発現ベクター) に移せる。強力なネガティブ及びポジティブの選択法を採用しているので、目的クローンが高効率で得られる。
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目的遺伝子はGATEWAYクローニングではどういう状態になるのか?
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両 att サイト間にあるものはすべて目的遺伝子と共に移動する。従って転写シグナルは真核用あるいは原核用をいれるのか、3'-側にストップコドンは入れるのかなどを前もって決める必要がある。
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クローニングできるサイズは?
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100bp - 10kb のPCR産物をクローニングした。LRクロナーゼ反応では 130kb も可能であった。att サイト間の最短は 7bpでも充分というデータが得られている。
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システムへの入り方は?
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N-末側に attB1 サイトを C-末側に attB2 サイトをプライマーに加えてPCRで目的遺伝子を増幅して入る方法が容易。エントリーベクターに制限酵素フラグメントを入れることもでき、また attBサイトをもつベクターで作られたライブラリーを購入することもできる。
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エントリークローンを介さずに直接デスティネーションベクターに目的遺伝子を入れるための attL サイトをもつPCRプライマーはなぜ使えないのか?
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エントリークローンは複数のデスティネーションベクターにサブクローニングするための元となる(ので必要)。また attB 配列は 25bp だが attL 配列は 100bp あり、プライマーにつけるには長すぎる。
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attBサイトを含むPCR用プライマーの精製グレードは?
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たいていのPCRにはスタンダード (脱保護又は脱塩) で充分。50b 未満のGATEWAYプライマーをHPLC精製した場合、スタンダードの2倍のコロニー数が得られた。プライマーが 65b以上で 5kb より長いPCR産物を得る場合には、コロニー数を上げるために精製 (カートリッジ、HPLC、PAGE) を奨める。
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今持っているcDNAライブラリーをGATEWAYベクターに移してGATEWAYライブラリーを作れるか?
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簡単な方法はない。cDNA端の配列プラス attB 配列をもつプライマーでPCRすることは可能だが、バイアスは避けられない。attB サイトをもつベクターでライブラリーを再構築するのがベストな方法である。
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BP反応時間を延ばせば効率は上がる?
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反応時間を1時間から4時間に延ばせばコロニー数は 2〜3倍になり、オーバーナイトで行なえば 5〜10倍に上がる。
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attサイトはたんぱく質の発現に影響する?
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attサイトの存在は8〜9アミノ酸の付加となるが、たんぱく質の発現や安定性に影響はでていない。Simpson等 [(2000) EMBO Reports 1, 287] はたんぱく質の細胞でのローカリゼーションも影響されないと報告している。
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GATEWAY反応に使用するDNAはどの程度の精製が必要?
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ミニプレップ (アルカリ溶解) DNAでも使えるのが、CONCERTTM DNA精製システムで精製したプラスミドDNAを勧める。PCR産物の場合はPEGでの沈殿後、ゲルで精製し、さらに CONCERT Rapid Gel Extraction System で精製することを勧める。
PLATINUM(R) Pfx DNAポリメラーゼの校正活性の測定
Vol.23, page 6
Joel K. Lackovich, Jun E. Lee, Peter Chang and Ayoub Rashtchian
PLATINUM Pfx DNAポリメラーゼは Taq DNAポリメラーゼに比べ高い校正活性を持つ DNAポリメラーゼでクローニングや変異導入に有用である。この PLATINUM Pfx DNAポリメラーゼの校正活性を2つのアッセイ法で他のポリメラーゼと比較し、確認した。rpsL fidelity assayではアンピシリン耐性遺伝子と rpsL 遺伝子をもつpMOL21プラスミドを一旦直鎖状にして各種のポリメラーゼにより PCR増幅した後、環状に戻したプラスミドを大腸菌に導入した。rpsL 遺伝子に変異を起こしたものをストレプトマイシン耐性コロニーとして検出し変異率を算定した。lacZ fidelity assayでは、pUC19を用いて同様に PCR増幅後大腸菌に導入し、lacZ 遺伝子に変異を起こしたものを X-gal/IPTG プレート上で白いコロニーとして検出した。これらの結果、PLATINUM Pfx DNAポリメラーゼは Taq DNAポリメラーゼに比べ 26〜29倍エラー率が低く、その他のDNAポリメラーゼと比べても最もエラー率が低かった。また、GC含量の高いテンプレートの PCRに添加して使用する PCRxエンハンサーは Taq DNAポリメラーゼを用いた PCRにおいて校正活性を2倍にすることも示された。
血液スポットからのDNA増幅:濾紙の種類とプライマー配列の重要性
Vol.23, page 8
Mary Renshaw, Dorothy Ellingsen, Jane Benson and W. Craig Hooper
濾紙に吸着させた血液DNAからの増幅は、サンプル収集の際の利便性、特に輸送・保存時の省スペース化が可能である点からよく用いられる方法となってきた。ここでは FTAカードあるいは Guthrieカードにスポットし保存した血液を用いて、血栓塞栓症に関連する2つの多型性 (Factor V Leiden G1691A変異と MTHFR遺伝子の C677T多型) について PCR、制限酵素切断による検出を行った。Factor V多型検出において、DNA溶液を鋳型とした場合には何ら問題の無いプライマーセットの中には、両カードにスポットした血液を材料とした場合には得られる PCR産物の量が極めて少なく判定が困難なものがあり、別のプライマーセットを用いる必要がでてきた。FTAカードとGuthrieカードにスポットした血液を比較すると、PCR産物の量はMTHFR遺伝子を増幅した場合、FTAカードを用いた方が約2倍得られた。また、Guthrieカードは−20℃保存であるが、FTAカードは室温で保存可能である。従って、血液スポットを用いてスクリーニングを行う場合、濾紙の種類およびプライマーの配列などをよく検討してから開始すべきであろう。
注)FTA関連製品はWhatman Bioscience (ワットマンジャパン株式会社) で扱っています。
より高感度な 2-ステップ THERMOSCRIPTTM RT-PCR システム
Vol.23, page 10
Amy L. Wayland-Smith, Jun Lee, Ling Huang and Ayoub Rashtchlan
THERMOSCRIPT RT は RNase H 活性を大幅に減らしてあるため、完全長 の cDNAの収量が高い。また、この酵素は高温でも安定なため、cDNA合成が 65℃まで可能である。この酵素を用いた 2-ステップ THERMOSCRIPT RT-PCR システムで、加熱 (65℃、5分) する前に dNTPを RNA+プライマーに加えることで感度と収量が著しく向上した。1 pg の HeLa トータル RNA からβ-アクチンの mRNAが検出でき、100 ng 未満のトータルRNA から 12.3kb の完全長遺伝子が検出できた。
トランスフェクションのための有益な助言
Vol.23, page 11
Teresa Myers
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トランスフェクション中に抗生物質を使えるか?
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トランスフェクション中に抗生物質を加えると細胞の透過性が高まっているため、細胞が死ぬ可能性が高くなる。ステーブルトランスフェクションでは、抗生物質は遺伝子導入後72時間以降に加える。
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カチオン性脂質による遺伝子導入の際、無血清培地を使う必要があるか。
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たんぱく質は脂質とDNAの複合体形成を阻害する可能性があるが、形成された複合体には影響を与えないので、複合体形成後に血清入り培地中の細胞に加えて遺伝子導入をおこなう。
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リポフェクトアミン2000を使用した遺伝子導入は他のカチオン性脂質よりどうよいのか?
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例えば、293-F, 293-H, BE(2)C, CHO-K1, CHO-S, COS-1, COS-7L, ヒトプライマリーファイブロブラスト, HT-29, HT-1080, MDCK, MRC-5, PC12, Vero等に対して血清存在下でも非存在下でも高効率の遺伝子導入ができ、培地の交換が不要でハイスループットにも向く。
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最適な遺伝子導入試薬の選択法は?
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細胞および導入するものによって、最適なものを選択する(本文中の表参照)。
US Webサイト に導入試薬と細胞タイプ別に800以上の文献が列挙されている。
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どこでより多くのカチオン性脂質の情報が得られるか?
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遺伝子導入試薬の選択ガイドや種々のプロトコール、トラブルシューティング (PDF, 520 KB)が US Webサイト に掲載されている。
日本語版はこちら (PDF, 1.2 MB) 。
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カチオン性脂質は2種類のプラスミドのコトランスフェクションに使用できるか?
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はい。目的プラスミド対選択用ベクターの比を3:1から10:1でおこなえば確実にできる。
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細胞特異的な遺伝子導入のプロトコールはどこで見つけられる?
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SAGE テクノロジーを用いたゲノム発現プロファイルの生成
Vol.23, page 12
Patrick Gilles
遺伝子の発現を解析するために、ディフィレンシャルディスプレィや定量RT-PCRが用いられるが、転写物の差は解析できても広範囲のプロフィールを得ることができない。マイクロアレイでは多くの転写物を解析できるが、発現が低い新規な転写物をみのがし、またハイブリダイズの変動性による限界もある。SAGE テクノロジーは事前の転写物情報に拠らない定量的な遺伝子発現プロファイル法として開発され、異なる疾病ステージや癌抑制剤応答での遺伝子発現パターン解明等について 1997年以来 50以上の報告例がある。SAGEでは各 mRNA転写物を特異的に識別する 14bpのシークエンスタグを取得する。2つのタグをライゲーションした後にPCRするが、SAGEタグは長さが一定で短いので増幅時のバイアスを最小限にできる。このため高感度で、低頻度の配列の検出にも最適である。I-SAGE キットはより少ないサンプルでできるように、オリジナルのプロトコルを改良している。SUPERSCRIPTTM II RTを用いるのでより多くの cDNAを生成できる。さらに oligo(dT)-マグネティックビーズを用いるので mRNA収量を 4倍程度増やすことができ、精製ステップも簡略化できる。ヒト肺がん細胞 A549中のハウスキーピング遺伝子の発現レベルは解析した数種の SAGEライブラリー間でほぼ一致していた。細かな差異は培養条件の差異を反映していると思われる。
MARROWMAX骨髄用培地: 培養骨髄細胞の細胞遺伝学検査用新培地
Vol.23, page 14
Sandra Kuligowski and John Daley
造血系異常についての検査は、骨髄吸引液をいくつかのマイトジェンや成長因子の混合液を用いて短期間培養したサンプルを用いて一般的に行われている。巨細胞癌(GCT)やPHA刺激白血球の培養上清が造血成長因子源として用いられているが、恒常性が課題となっている。ここでは、細胞遺伝学検査用に最適化された完全添加済みの骨髄細胞増殖培地を紹介している。MARROWMAX に含まれるストロマ細胞培養上清の濃度は最適化されており、GCT培養上清を用いた培地に比べて24時間後の有糸分裂細胞数は2倍以上である。さらに、4℃で4-6週間保存した後でも同等の性能を維持していた。MARROWMAX で培養した細胞では突発的な染色体切断率も0.91% (0.0091 切断/細胞)と対照培地に比べて低く、また染色体の形態やバンドも明確であった。MARROWMAX に用いられているストロマ細胞培養上清中には、造血系を刺激することが知られている成長因子類が高濃度で含まれていた。
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